みわ日記 大分編

きのうからの雨も上がり、
第35回九州公演が大分からスタートしました。

会場のIichiko総合文化センターは、
商業施設、NHK大分放送局などを擁する複合施設です。

九州公演最初のサウンドは、“戴冠式祝典行進曲”。
ダイナミックな曲想ながら、すっきりと濁りのないサウンドに、
早くも実行委員の方から「日本フィル、音変わった!?」との反応が。
ソリストは第25回以来10年ぶりの九州公演となる小山実稚恵さん。
ラザレフさんとは何度も共演されており息もぴったりです。
曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。

記者会見の際、小山さんは、
「頭で考えて、さまざまな解釈が成り立つ作曲家もいますが、
私にとってロシア音楽は“直感でコレしかない!”という確信がもてます。
チャイコフスキーも、ラフマニノフも。」と語っておられました。
「ラザレフさんは、リハーサルでの細かさと、本番での自由さが印象的。」
ともおっしゃっていましたが、
今日は、おたがいがスリリングにせめぎあい(あおりあい、とも言う?)
終楽章ではテンポもどんどんあがって、とてもエキサイティングな幕切れ。
拍手が鳴りやまず、小山さんは何度もカーテンコールに応えてくださいました。
後半は、チャイコフスキーくるみ割り人形」ハイライト。
おなじみの組曲ではなく、全曲から抜粋されたムラヴィンスキー版です。
ボリショイ劇場のシェフとして、バレエを熟知したマエストロは、
時には幻想的に、時には壮大に、曲を構成していきます。
そして、ドラマティックに、終幕を迎え、曲が終わったのですが!
なんと、なかなか拍手がでませんでした(ドキ!)
お客さま方は、これで曲が終わったとは思わなかったようなのです…(苦笑)。

しばらくして大きな拍手。スタッフも袖で胸をなで下ろします。
隠し玉アンコール第1弾“花のワルツ”が終わったときはブラボーが!
お客さまの「コレコレ!知ってる〜」という雰囲気が伝わってきました。
その後“あし笛の踊り”“トレパック”と続く合い間には、
エストロは花道の先まで歩いて客席へ投げキッス。
お客さまをHAPPYな気分にさせてくださいました。

終演後の交流会でマエストロは、
「音楽は、フォルテとピアノで成り立っているけど、
今日のコンサートでは親愛なる聴衆の反応でもそれを感じたよ」と
おちゃめなコメント。マエストロの親しみやすい面に、みなさん、大喜び。
九州公演初日は、キャプテン・ラザレフとともに、順調に船出しました。

企画制作みわ