みわ日記 大牟田編

第35回九州公演も、ついに最終日がやってきました。
思えば、雨のバレンタインデー、大分空港に降りたったのが、
遠い遠い昔のことのような気がします…。

おととい、きのうと雨でしたが、朝からきれいに晴れました。
土曜日のマチネなので、早朝から、
実行委員の方々がスタンバイして準備に入ります。
皆さんのキビキビしたお仕事ぶりに、気が引き締まります。

…と、そこへ、知ってる人によく似た人の姿が。
「アレ? わたし、疲れて幻覚を見てるのかなあ??」と、近くにいったら、
やっぱり!木野さんです!(写真あります) びっくり〜。
「今日は、弟子を連れてきたんだよ〜。
客席で聴こうと思ってチケット買ったら、前から2列目だったよー(苦笑)」
だそうで。
世界中を飛び回ってフットワークの軽い木野さんですが、
大牟田で遭遇するとは。
開演したあと袖からのぞいたら、
たしかに、前から2列目で、腕くんで真剣に聴かれていました。

長かった九州公演、GPも最後です。
公開GPのため、地元の方も客席で見学。
オイリアンテ、ブラームスと練習し、最後にマエストロがスピーチ。
「長い旅行中、皆さん健康管理をされて、元気で過ごしてくれて、
毎日良い演奏をしてくれてありがとう。」
わたしたちもマエストロに心からお礼を申し上げたいです。
きのう、終演後、「お客さまがすばらしかった、と喜ばれています」と
お伝えしたら、
「そうか、それは良かった。そのために、来たのだからね。」と
おっしゃっていたマエストロ。
音楽に対する妥協のない追求と、プレイヤーを尊重してくださる優しさ、
ラザレフさんの仕事に対する真摯な姿に、
毎日奮い立ちながら仕事をすることができました。

千秋楽のソリスト神尾真由子さん。
聴く人の心にパワーをくれる、力強い演奏をありがとうございました。
楽屋の廊下でお茶を飲んで楽員と話しているときのかわいらしい表情と、
ステージでの堂々とした風格ある演奏とのコントラストが印象的でした。
このあと、休む間もなく、カナダへ飛ばれるという神尾さん、
ほんとうにお疲れさまでした。また共演する機会を楽しみにしています。

大牟田の実行委員の方々は女性が多く、
その細やかな心配り、お客さまへのソフトな対応が特徴です。
地域の方々との密接につながって、文化活動をされておられます。
チケット券売にはご苦労もあったと思いますが、
柔軟で前向きなとりくみに敬意を表さずにはいられません。
皆さま、ありがとうございました。

会場には、千秋楽をともに祝おうと、
北九州、福岡、熊本と、他地域の実行委員会の方のお顔も見えます。
“九州は1つ”という実行委員の方の思い、
これこそ、九州公演のエネルギー源です。
お互いに協力し、学びあい、時には激しい議論もして、
九州全体として公演を創り、成功させ、地域の方と喜びを分かちあう、
この活動をさらにさらに発展させていきたいと、強く思いました。

13泊14日に及んだ日本フィル九州公演は、これで幕を閉じます。
多くの方への心からの感謝をこめて、ここはマエストロ風に。
「ハラショー! スパシーバ!!」