【第621回東京定期】リハーサル

昨日から今週末の定期にむけた練習が始まりました。
今回の指揮者は井上道義さん。
東京定期には2年ぶりの登場です。
前回はシベリウスのシンフォニーと吉松隆作品で清冽なコンサートを届けてくれました。

今回はうって変わって伊福部昭ストラヴィンスキーという、実に色彩の濃いプログラムです。

レコーディング等を通じて、日本フィルとは縁の深い伊福部作品。
生前の伊福部先生から直接薫陶を受けた楽員も多く、我がオケの中に息づく「伊福部サウンド」にご期待ください。
ソリストには1979年の初演以来、ずっとこの曲とともに歩んできたマリンバの大家安倍圭子さんが登場です。

そして伊福部氏が作曲家を志す上で大変大きな影響を受けたのが、何を隠そうストラヴィンスキーその人です。
火の鳥》はともかくとして、Symphony in Cは演奏の機会の少ない作品ですね。
とにかく難しい。
途中には《春の祭典》よろしく変拍子の嵐があったり、あえて室内楽的な薄いオーケストレーションが施されていたり、となかなかオーケストラ泣かせの曲です。
それだけオケマンの腕の見せ所でもあり、マエストロの練習も緻密そのもの。
弦楽器、管楽器それぞれだけのリハーサルを行うなど、指揮者とオーケストラがまさにストラヴィンスキーと「真剣勝負」しています。

井上マエストロのリハーサルは、上述したようにとても細かい点までフォローしたものですが、決してオーケストラを追い詰めるのではなく、彼らの強みをより引き出すような程良いリラックスと程良い緊張感に満たされています。


リハーサル前にチェレスタを弾いている井上マエストロ