九州公演2011 記者会見が行われました。


1/11(火)アクロス福岡605会議室にて、九州公演の記者会見が行われました。
今年は、2/8田川から、2/20鹿児島までの、13泊14日に及ぶロングツアーです。
出席者の皆さん。
(写真左より)2/10宮崎公演のピアニスト・片野和紀さん、指揮者・藤岡幸夫さん、ピアニスト・横山幸雄さん、
日本フィル専務理事・平井俊邦、日本フィル九州連絡会議運営委員長・原武博之さん(熊本)


九州公演への抱負を語る藤岡さん。
「はじめて九州に来たのは、渡邉曉雄先生のかばん持ちとしてです。(1989年) シベリウス交響曲第2番の年でした。そのとき、九州の皆さんの熱気に触れ、びっくりしましたし、心を打たれました。」
「今回は、全会場でベートーヴェン交響曲第7番なんですよ!ふつうムリでしょ! だって、1回降ったら、体重2〜3Kg、おちる曲ですよ〜。日本フィルの楽員さんに、同意を求めたら、皆さん、落ち着いていて、『九州なら、やるしかないよ』って言われちゃいました。僕の見方になってくれると思ったのに・・・(泣)
これは、新たな試練だな! ととらえて、まっさらな気持ちでチャレンジします。」
「僕は今、関西フィルと年間50回以上コンサートを行い、あらゆる方向に音楽の裾野を広げようとしていて、今回のプログラムは、その意味でいいと思います。『あー、オーケストラっていいなあ!』と、多くの方に聴いてほしい。」

その後、ベートーヴェン交響曲第7番の聴きどころを尋ねられて・・・
ベートーヴェンはね、この時期、躁病だったの。戦争も終わり、新しい恋人ができて、パトロンも見つかった時期で。この曲、革命的だし、テンションが普通じゃない! いっちゃってるよ。でも、そのハイテンションを表現するのは、美しいppや、正確な音程があればこそ、だからね。がんばります。」

日本フィルの印象を聞かれて・・・
「日本フィルは僕の生まれ育ったオケです。特徴は、とても情熱的。そしてサウンドが濃密。ラザレフさんの就任でさらに磨きがかかったね。日本で唯一のロシア人率いる、特有の大地の香りがする。」
「日本フィルには日本フィルのカラーがある。若い楽員が、“日本フィルスピリット”を学ぶ場が、九州公演だと、僕は考えています。」


クールでソフトな話しぶりが、洗練された雰囲気の横山幸雄さん。
「僕にとって日本フィルは、小学生のときから共演させていただいているオーケストラです。今回、16年ぶりの九州公演となります。前回は2000年、指揮は広上淳一さんでした。実は、この九州公演中に40歳になるんです。毎日、新たな気持ちのコラボレーションにしたいです。」

この前に、藤岡さんが、
「僕、1998年、2003年と九州公演に参加したんだけど、2回目のとき、地元の女性から『前に来たときはさわやかだったのにねえ』って言われたんだよ!今回、何を言われるのかと思うと・・・オソロシイよ・・・。」
と言われたのですが、

横山さんいわく、
「先ほど、藤岡さんが(女性からの評価を)おっしゃっていましたが、僕は前回から16年も経っているので、何を言われても気にしません。」
さらりとコメント! 記者の方々からも和やかな笑いが。

その後、今回演奏する「ショパン:ピアノ協奏曲第1番」のことを尋ねられて・・・
「自分としては、子どもの頃から、第2番が好きで、親しんでいました。第1番は、ショパンが20歳のときの作品で、ワルシャワでの告別演奏会で発表された曲です。“告別”というと、日本語では暗いイメージですが、実際には、フランスへの門出のコンサートだったのです。ですからショパンは、今までになく、力強く、若々しく華やかで、ダイナミックな面を表現しました。ショパン本来の繊細な面と、両面を表現したいですね。」

日本フィルにどんな印象を持っていますか?との質問に・・・
「盛り上がるとどこまでも言っちゃうオケですね(一同爆笑)僕は1人でオケ全部と対抗しないといけないので、盛り上がられすぎると・・・さきほど、藤岡さんが『pp勝負』とおっしゃっていたので、よろしくお願いします。」

どこまでもオトナで落ち着いた横山さんでした。


宮崎公演で「リスト:ピアノ協奏曲第1番」を演奏する片野和紀さん。
宮崎は、堀米ゆず子さんの「シベリウス:ヴァイオリン協奏曲」とのWソリストです。

宮崎出身の片野さんは、東京音大で学んだあとハンガリーに留学し、その後地元の宮崎に戻って、現在は延岡で学校の先生をしておられます。今回の片野さん起用には、昨年来の口蹄疫被害で、世相が激しく落ち込み、多くの催しがガラガラである、という宮崎で、少しでも多くの方に親しみをもって来場していただき、心を和ませてほしい、という、 宮崎実行委員会の願いが込められています。そして、九州連絡会議&日本フィルもそれを応援し、実現することになりました。

「今回、このような先生方と同じ場所に並んで、記者会見をするということで、とても緊張しています。歴史ある日本フィル九州公演のソリストに選んでいただき、たいへんなチャンスだと感じています。宮崎の口蹄疫被害にあわれた方々が、元気が出るような、そんな演奏をしたいです。」

その後、今回演奏する「リスト:ピアノ協奏曲第1番」のことを尋ねられて・・・
「僕は最初、第2番からとりくみました。この第1番は、起承転結がはっきりしていて、聴く方にとって、とてもわかりやすい曲だと思います。リストが、ピアニストとしてイケイケの時期に書いたこの曲は、今の自分にも共感できる部分が多いです。ハンガリーでの勉強の経験も生かして、演奏したいです。」

日本フィルにどんな印象を持っていますか?との質問に・・・
「地元で1〜2回聴いていますが、弦楽器の響きを聞いて、ゾクッと鳥肌が立ったことが印象的です。とにかく弦楽器の音色のきれいなオーケストラ、という印象です。」

ういういしくフレッシュに、宮崎公演への意気込みを語る片野さんでした。



日本フィル九州公演の詳細情報はこちら(上部にある「コンサートカレンダー」から「2月」をクリックして下さい。2月中旬は、九州一色 です。)