最近のできごと (伊藤寛隆)

みなさんいかがお過ごしでしょうか?
もう梅雨入りのようですね。ここのところ天気のパッとしない日が続いています。
この湿気の多い時期、クラリネットはいろいろ大変なんです…。
クラリネットは楽器の吹口ののところにあるマウスピース(歌口)に、リードという薄く削られた葦の板を留め金(リガチュア)で固定します。
吹いた時に、このリードがブルーンと振動して楽器の管に響いてクラリネットの音になります。

このリード様…がですね。
機嫌のいい時にはポぉーっといい振動をしてくれるんですが、 この時期のように湿気が高くなるとグぢゅーとかビぃーとか言い始めるんです。
これはなかなか敏感なもので雨が降りそうな雰囲気の時や、また雨が止んで晴れてきて湿気が蒸発し始める時に、さらに機嫌が悪くなるのです。
なのでこの時期はクラリネット奏者の口からは、
「あー リードない なぃ リードが んなぁい!」ばかりです ハァ〜。

最近のご報告をいろいろしたいと思います。

5月の18日〜19日に新潟県柏崎市に慰問演奏をかねて行ってきました。
演奏曲はブラームスクラリネット五重奏曲(弦楽四重奏クラリネットによる五重奏)です。
市内の至るところでは震災によって倒壊した跡や後に整備された空き地がたくさんあり、改めて地震の恐ろしさを感じましたが、それ以上に地元の方々の復興に対する意欲を肌で感じました。
まだ東京ではこれほどの被害の出る災害に見舞われていませんが、いつ起こってもおかしくないことです。しっかりした備えと知恵を持たないといけないなと思いながら地元の方々の話を伺いました。

6月3日にBSで放送されている名曲探偵アマデウスの部分演奏の収録がありました。
ぼくはベルリオーズサン=サーンスワーグナー に続いて4回目で、今回はスメタナモルダウの冒頭部分の河の源流を表した箇所を収録しました
。決して技術的にも易しいところではないので、オーケストラの中でなく単独で録られるのはいやなものです。演奏する際のイメージや考えを熱弁したインタビューも録りましたが、放送ではおそらく相当カットされていると思います。
夏休みコンサートに向けてまだまだたくさんの演奏会があります。このジメジメしだ陽気をぜひ演奏会に足を運んでいただいて、パッと吹き飛ばしていただけたら嬉しいです。