茨城県大洗町の中学校2箇所で弦楽四重奏

『被災地に音楽を』訪問コンサートで10月26日、日本フィル弦楽四重奏メンバーが茨城県東茨城郡大洗町の二つの中学校を訪問しました。
3月11日の東日本大震災にて太平洋沿岸部に位置する大洗町でも、震度5の強い揺れとともに、5メートルの大津波が町を襲い、ライフラインの寸断と建物や道路、沿岸部に大きな被害が出ました。人的被害としては、死者1名、負傷者7名でしたが、住家屋被害としては、全壊、家屋半壊、床下浸水など1500件に及ぶ甚大な被害を受けました。これら震災による被害に加え、東京電力福島第一原子力発電所での重大な事故による放射性物質飛来の影響が出てきています。県内畜産水産物の出荷制限や、放射性汚染水の海洋放出、風評被害により町の農業・水産業・観光業への影響は計り知れません。

 その様な状況の下、大洗町にある二つの町立中学校にて、コンサートを行いました。南中学校は生徒数150名、教職員30名、父母や地元の方20名の200名程。第一中学校は生徒数300名、教職員30名、父母や地元の方50名の400名程の皆様にお集まり頂きました。メンバーはヴァイオリン:九鬼明子・坪井きらら、ヴィオラ:後藤悠仁、チェロ:大澤哲弥。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、クライスラーの「愛の喜び」「愛の悲しみ」、「見上げてごらん夜の星を」、SMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」等を演奏し、生徒達や地元の皆さんに聴いていただきました。

↓第一中学校

  震災の影響にて大洗文化センターホールが休館の為、南中学校ランチルームと第一中学校体育館で開催。会場では小谷隆亮大洗町長も出席されました。ヴィオラ後藤悠仁の導きで、「音楽は音を楽しむもの、じっと聴き入るだけでなく立ち上がってリズムを楽しみましょう」と呼びかけると、多くの生徒達が立ち上がり、リズムを取って盛り上がりました。演奏後、後藤より「まだまだ苦しいこともあるでしょうが、お互いに支えあって一歩一歩前を向いて行きましょう」とやさしく語りかけ、コンサートを締めくくりました。また南中学校の生徒たちとは、ランチルームで給食を共にし、交流しました。
↓南中学校