山田和樹の西方見聞録 2015年3月14日 トゥールーズ・キャピトール国立交響楽団

トゥールーズのオーケストラと共演するのはこれで4度目。
以前の3回は全てフランス音楽での共演だった。今回初めて、ドイツ音楽を取り上げることに。
大好きなR.シュトラウスの音楽を中心に、前半はブラームスのピアノ協奏曲を。

このオーケストラはオペラもよく演奏しているので、単に技術的に優れているだけでなく、柔軟に音楽を捉えられるのが素晴らしい。
プログラムのプロフィールの最後には「この若い日本人の指揮者は、トゥールーズのオーケストラとラヴ・ストーリーを続けている」とオーケストラ側が加えた一文があって、何とも嬉しかった。

ピアノ協奏曲のソリストはアダム・ラルーム。トゥールーズ出身とのこと。まだ若いながら、大変な才能の持ち主であった。本番になると「化ける」タイプのソリストである。
新鮮はブラームスを聴かせてくれた。

今シーズンは2月の「火刑台上のジャンヌ・ダルク」と合わせて2回の登板になったのだが、モンテカルロ・フィルの音楽監督に就任するに当たって、今後は年1回ペースになってしまうのが残念ではあるのだが、来シーズンにはまたフランス音楽(!)で共演する予定である。