山田和樹の西方見聞録

山田和樹の西方見聞録 2015年5月1・2日 ユタ交響楽団【アメリカ・デビュー】

長く待たなければいけない入国審査。一昔前のロシアもかなり時間がかかったものだが、今ではアメリカのほうが断然待たせられる。 そんなストレスを少し感じながらも一歩外に出てみれば、そこには「自由」の空気が。 『アメリカ横断ウルトラクイズ』で見てい…

山田和樹の西方見聞録 2015年4月16・17日 RAI国立交響楽団【イタリア・デビュー】

日本で言うトリノは、イタリアでそのままTorino。だが英語になるとTurinになる。 今回はフランクフルトで乗り換えで、5分違いの便でTallin(タリン)行きがあったので一瞬間違えそうになった。 この他にも、各言語で地名の言い方が変わってくる例はいくらで…

山田和樹の西方見聞録 2015年3月14日 トゥールーズ・キャピトール国立交響楽団

トゥールーズのオーケストラと共演するのはこれで4度目。 以前の3回は全てフランス音楽での共演だった。今回初めて、ドイツ音楽を取り上げることに。 大好きなR.シュトラウスの音楽を中心に、前半はブラームスのピアノ協奏曲を。このオーケストラはオペラ…

山田和樹の西方見聞録 2014年10月29・31日 スイス・ロマンド管弦楽団

7月の日本ツアー後、新シーズンになって初めての顔合わせ。 フランス的ジョークで「もう随分前のことだなあ」と言う団員もいながら、拍手で歓迎してくれる。 日本ツアーで制作したTシャツを着てくれている人もいて嬉しい。今回はコンチェルトをメインにした…

山田和樹の西方見聞録 2014年10月17・18・20日 ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

実に長い名前のオーケストラ。二つの街のオーケストラが合併して、現在の名称になった。団員もそれぞれの街に半分ずつ住んでいるので、今週はザールブリュッケンで練習、来週はカイザースラウテルンで練習といったローテーションになっているらしい。 日本に…

山田和樹の西方見聞録 2014年10月9〜11日 リヨン国立管弦楽団

10月5日に「せんだいクラシック」にて仙台フィルとの共演を終えて、最終新幹線で上野に着いた時にはすでに台風の大雨だった。 翌6日朝の飛行機は8時間遅れとなり、乗り換えのフランクフルトで一泊せざるを得ず、7日の午前中の初練習をすることが出来なくなっ…

山田和樹の西方見聞録 2013年11月20日 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者就任発表

生まれて初めてヘリコプターに乗った。 ニース空港からモンテカルロまで車だと30〜40分かかるところをヘリコプターだとたったの7分。もっと怖いものかと想像していたが、思いのほか快適だった。 モナコ公国を訪れるのは今回で4度目。モンテカルロ・フィルハ…

山田和樹の西方見聞録 9月20・21日 トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団

フィンランドー森と湖の国。ムーミンとサンタクロースの故郷としても知られている。作曲家ではシベリウスを輩出した国だ。 トゥルクは、そのフィンランドの第3の都市にあたる。首都ヘルシンキから西に電車で約2時間の場所にある。 実は僕がここを訪れるの…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2012年 8月2・3日ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭 

今回は初共演のパリ室内管弦楽団と参加。モーツァルトの交響曲35番と38番のほか、僕の大好きな二人のピアニストと 一緒できることになった。ジャン=クロードゥ・ぺヌティエさんはフランスを代表するベテランピアニスト。 昨年もモーツァルトでご一緒して感…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2012年 7月2・4日スイス国際音楽アカデミー 

小澤征爾さんが主宰しているアカデミー。世界コンクール優勝者などの強者を集めて弦楽四重奏曲(カルテット)を勉強する、という大変ユニークなもの。本当にすごいレヴェルの若者が結集する。小澤さんが来られないため代役で。といってももう3年目。 自分自…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2012年 6月13・14日プラハ交響楽団

街並みが世界遺産に登録されている美しい都市・プラハ。モルダウ河に、旧市街に、路面電車に、どこかノスタルジーを感じさせる街でもある。 有名なホールは2つ。チェコ・フィルの本拠地のドヴォルジャーク・ホールと、プラハ交響楽団の本拠地のスメタナ・ホ…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2012年 5月9・10日バーミンガム市交響楽団 

現在のベルリン・フィルの音楽監督サイモン・ラトル氏が、一躍脚光を浴びる舞台になったバーミンガム。それまでよく知られていなかったオーケストラを鍛え上げて一流レベルにした、という栄光のストーリー。 現在の音楽監督は、これまた破竹の勢いのアンドリ…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン   2012年 4月19日〜21日ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送交響楽団

何とも長い名前のオーケストラである。近い2つの街のオーケストラが合併して、このような名前になった。 ザールブリュッケン放送響といえば、何度も来日していて、ミスターSの名で親しまれている巨匠・スクロヴァチェフスキさんとのコンビの印象が強い。 と…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン 2012年 4月6日〜14日イル・ド・フランス国立管弦楽団パリ近郊ツアー 

ベートーヴェン第1交響曲とモーツァルト「レクイエム」を7公演! 4月6日の初日が始まってしまうと、直しのリハーサルが取れないスケジュールだったので、僕はパート譜書き込み作戦を実行。毎日本番前に早く会場入りして、全部のパート譜にバランスなどの…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン 2012年 3月7・8日マルメ交響楽団 

ロシアからそのままマルメへ。ハードなスケジュールが続くのは大変だが、素晴らしい音楽が出来ることは何よりも幸せなことだ。 マルメはスウェーデン第3の都市。もう少し華やかな街並みを想像していたのだが、割とドイツ風な様相だった。 しかし、川沿いの…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン 2012年 3月4日サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 

サンクトペテルブルグ交響楽団と言うと、2つオーケストラがある。 ドミトリーエフさん率いる「アカデミー」と付けて呼ばれるオケと、以前はムラヴィンスキー、今はテミルカーノフさん指揮するこのフィルハーモニーオケだ。ロシアではこのように、ほとんど同…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン 2012年 2月26・27日ワイマール歌劇場管弦楽団 

ドイツのオーケストラの前に立つと、自分のドイツ語の未熟さを痛感するのが常なのだが、ここワイマールでは違った。 言葉の壁を感じない。何でこんなに皆にこやかなんだろう。ドイツのオーケストラではないような、、そんな錯覚を感じさせる明るい雰囲気。気…

山田和樹の西方見聞録2011-12  2011年 12月2日フランクフルト放送交響楽団 

ドイツの中で高層ビルが立ち並ぶ、といったらここフランクフルトくらいだろう。巨大空港の機能と共にドイツビジネスの中心地である。 オーケストラは名門中の名門。かつてエリアフ・インバルさんが音楽監督で、マーラーやブルックナーを取り上げていた黄金期…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン 2011年 11月17・18日ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団 

フランスとドイツの国境にある街。昔から交通と貿易の要所であり、ドイツ領になったりフランス領になったり歴史的に翻弄されてきた街でもある。両国の文化が混在していて、街を歩くだけで面白い。宮崎アニメ「ハウルの動く城」のモデルになったとされる家も…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2011年 11月7・8日ローザンヌ室内管弦楽団 

ジュネーヴで演奏会をした翌日には、もうローザンヌでリハーサル開始という強行スケジュール。距離が近くて助かった。 レマン湖畔に行けば、まったく時が止まったかのようなローザンヌ。ジュネーヴとは雰囲気も人の気質も違ってくる。 まず、オーケストラが…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン 2011年 11月3日スイス・ロマンド管弦楽団 

2010年6月に代役で初共演して、2012年9月から「首席客演指揮者」に就任することが決まっていたのだが、就任前に何とか1回は演奏会をしておきたいという僕とオーケストラ双方の希望の中、実現したコンサート。前半はガーシュイン、後半はラヴェル、という…

山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2011年 9月29日〜10月2日ラ・フォル・ジュルネ音楽祭inワルシャワ 

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭の動きはいつも急展開だ。プロデューサーのルネ・マルタン氏のインスピレーションによって 運営されているといっても過言ではない。このワルシャワへの出演も急遽決まった。急遽決まった割には、出演回数が 4回と多く、オープニン…

山田和樹の西方見聞録 2011-12シーズン 2011年 9月24・25日 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 

いわゆる旧東のオーケストラは概して愛想が良いとは言えない。少なくともラテン系のオーケストラのように、お互いが ウィンクしていたら上手くいく、なんてことはない。 ドレスデンはヨーロッパ随一といってもいい美しい街。オペラハウスの荘厳な佇まいを目…

2013/08/31 山田和樹の西方見聞録<6月7・8日 カスティーリャ・イ・レオン交響楽団定期演奏会>

スペインにこんな素晴らしいオーケストラがあったなんて! 半ば失礼と思いながらも、これが正直な感想。 オーケストラの本拠地は、バリャドリッド。スペインの首都であるマドリッドから北北西に電車で1時間。カスティーリャ・イ・レオン州の州都にあたる。こ…

2013/06/03 山田和樹の西方見聞録<5月23・24日 ヨーテボリ交響楽団>

ヨーテボリはスウェーデン第2の都市で、北海側の港町だ。 小ぢんまりした作りの街だが、ショッピング街も充実していて賑やかな印象。 ヨーテボリ交響楽団と言えば、ネーメ・ヤルヴィがシェフ(首席指揮者)を務めていた時代が印象的だ。僕もこのコンビの多く…

2013/06/03 山田和樹の西方見聞録<5月8・12日 スイス・ロマンド管弦楽団>

5月8・12日 スイス・ロマンド管弦楽団フィルハーモニア管、ベルリン放送響と続いたこともあって、今回はジュネーヴに”戻ってきた”感覚、「だだいま〜」という想いが心底強かった。 率直に「また会えて嬉しい」と言う僕をメンバーは拍手で迎えてくれる。ホー…

山田和樹の西方見聞録 番外編

9月になり、いよいよ音楽シーズン突入ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか? 「今年の夏、特に8月はゆっくり休んで英気を養うことができました。シーズン初めの演奏会は、9月7日にスイス・ロマンド管弦楽団とシューベルト音楽祭に出演してきます。そ…

10月13日 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

トゥールーズという地名はよく耳にしていたのだが、実際に訪れるのは初めて。 フランスの南に位置し、ピレネー山脈を越えればそこはスペインだ。 トゥールーズに着いてすぐに、この街が好きになった。何かノスタルジーを感じさせる街なのだ。レンガ造りの建…

10月3.4日 ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

前回のトゥルク・フィルに続いて、北欧のオーケストラとの演奏会。 ロイヤル・ストックホルム・フィルは、1902年に設立された由緒正しいオーケストラ。ノーベル賞授賞式で演奏することでも知られている。 指揮者の楽屋には、無数の写真が。フルトヴェングラ…

<9月20・21日 トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団>

フィンランドー森と湖の国。ムーミンとサンタクロースの故郷としても知られてい る。作曲家ではシベリウスを輩出した国だ。 トゥルクは、そのフィンランドの第3の都市にあたる。首都ヘルシンキから西に電 車で約2時間の場所にある。実は僕がここを訪れるの…