山田和樹の西方見聞録 2015年4月16・17日 RAI国立交響楽団【イタリア・デビュー】

日本で言うトリノは、イタリアでそのままTorino。だが英語になるとTurinになる。 今回はフランクフルトで乗り換えで、5分違いの便でTallin(タリン)行きがあったので一瞬間違えそうになった。 この他にも、各言語で地名の言い方が変わってくる例はいくらでもある。フィレンツェは英語にするとフロレンスだし、ジュネーヴもドイツ語ではゲンフ、そしてイタリア語でモナコと言えばミュンヘンのことを指すそうで、かなりややこしい。 トリノはミラノに次いでイタリア2番目の工業都市だそうだ。 街はキレイに碁盤の目状になっていて、地図は京都に似ている。 イタリアのオーケストラを指揮するのは初めてだったから、半分興味津々、半分不安をもって向かった。 確かにリハーサルで演奏を止めるとすぐに団員の「おしゃべり」が始まるのだが、思ったよりは騒々しくない。フランスのオーケストラでも似たようなことはあるので、恐れていたほどではなく安心。 順調に進む。 イタリアと言えば、美味しい食事! リハーサルを午前中で終えて、ゆったりランチを食べようとオープンテラスのレストランに入る。スパゲティだけを注文したのだが、「サービスです」と言ってシャンパンと前菜が出てきて得した気分に。さらに食後にまた「サービスです」と言ってデザートの一口盛り合わせが。大満足、イタリア最高。 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、ニコライ・ズナイダーと初共演。彼は指揮活動にも力を入れていて、前にこのオーケストラに来た時には指揮者として来たらしい。オーケストラは彼が大好きなようで、始まる前から大歓迎の様子。演奏もエキサイティングで皆満足。 「シェヘラザード」も充実の演奏ができたと思う。 また再来年には共演できる予定。早くこの街をまた訪れたい。