山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン   2012年 4月19日〜21日ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送交響楽団

何とも長い名前のオーケストラである。近い2つの街のオーケストラが合併して、このような名前になった。
ザールブリュッケン放送響といえば、何度も来日していて、ミスターSの名で親しまれている巨匠・スクロヴァチェフスキさんとのコンビの印象が強い。
ところが、音楽監督の写真が並んでいるところに、そのスクロヴァチェフスキさんの姿がないのだ。
聞いてみると、彼は音楽監督に就任したことはなく、ずっと首席客演指揮者という立場だそうだ。それはそれでとても素敵な関係だな、と思った。
オーケストラは素晴らしいアンサンブルを持っていた。サウンドはそこまでドイツ味ではなく、ニュートラルな澄んだ音の印象。アメリカンプログラムで、ガーシュイン「パリのアメリカ人」とピアノ協奏曲、アイヴズの交響曲第2番。
ピアニストは、ベンヤミン・ヌスさんという若者だったが、この名前を是非覚えていて欲しいと思う。素晴らしい才能で、すぐに世界を席巻すること間違いなし。