山田和樹の西方見聞録 2011-12シーズン 2011年 9月24・25日 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 

いわゆる旧東のオーケストラは概して愛想が良いとは言えない。少なくともラテン系のオーケストラのように、お互いが
ウィンクしていたら上手くいく、なんてことはない。
ドレスデンはヨーロッパ随一といってもいい美しい街。オペラハウスの荘厳な佇まいを目にするとまるでタイムスリップ
したよう。ここで数々の名作オペラが初演されてきた。旧東の雰囲気を感じるのか、そのタイムスリップ感からか、僕の
印象で言うと「気持ちが引き締まる街」であり、オーケストラにもそのような空気が絶えず流れていた。
信頼し合うのに時間が必要なのかも知れない。日ごとにコミュニケーションを深くしていくことが出来て、最後の演奏会
は素晴らしいものになった。
武満徹の「3つの映画音楽」、プーランクのピアノ協奏曲、リムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」。