山田和樹の西方見聞録2011-12シーズン  2012年 8月2・3日ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭 

今回は初共演のパリ室内管弦楽団と参加。モーツァルト交響曲35番と38番のほか、僕の大好きな二人のピアニストと
一緒できることになった。ジャン=クロードゥ・ぺヌティエさんはフランスを代表するベテランピアニスト。
昨年もモーツァルトでご一緒して感激、自分のほうから再共演を申し出た。もう一人は、フランチェスコピエモンテージさん。
若手ながら、自分で主催する音楽祭も持っている逸材だ。彼の感性は本当に素晴らしい。シューマンのピアノ協奏曲の冒頭からして、彼の世界に満たされていった。
ラ・ロック・ダンテロン音楽祭のメイン会場は野外なのだが、これがまた独特の素晴らしい雰囲気。お客さんの集中力が凄まじく客席は静寂なのだが、周りの木々に止まっている虫々の鳴き声がずっとしている。不思議とその鳴き声が騒音にはならず、逆に音楽と同化してるような感覚になるのだ。自然に囲まれたステージを中心に、人も動物も植物も、しばし音楽に耳を傾ける宵の一時。