桜の季節 (江口有香)

先日、何年ぶりかで千鳥ヶ淵の桜を見てきました。今年はまだ満開ではなく、気温の低さを目でも感じる春です。
今学校は春休み。夏休みだけではなく、もちろん春休みも家族でコンサートを聴きにお出かけになった方もいらっしゃるでしょう。
子供に落ち着いてコンサートを聴かせることに、うちの場合はかなりの時間がかかった方だと思います。子供が保育園児だった頃は2時間のコンサートを全て聴くのはとても無理で、休憩までのプログラムの半分をハラハラしながら聴くことが多くありました。
子供に興味がないプログラムの時は特に大変で、さっき行ったはずの御手洗いにまた行きたいと言い出したり、プログラムを折り紙にして折りはじめて後ろのお客様にうるさいと注意されたり…音を立てなくても、靴を脱ぎたがり、椅子に正座したのはいいものの、蒸れた足の臭さが空気を汚して周りにご迷惑をおかけしたり…音楽を聴きに行ったのに集中して聴けず、ただただ疲れて帰宅したのを覚えています。
それがどのくらい続いたのか…今ではすっかり落ち着いて聴けるようになり、そんな苦労もいい思い出です。子供は成長するものなんだと、つくづく実感しますね。
子供と手をつないで千鳥ヶ淵の桜を眺めながら、あと何年、手をつないでくれるかと、今の幸せを実感した一日でした。