masuレポート

今日は飯守泰次郎氏によるリハーサル3日目。
明日・明後日に開催される東京定期演奏会の練習です。
今回のコンサートでは、前半に現代日本人作曲家作品を、
そして後半にはブラームス交響曲第4番をお贈りします。

邦人作曲家への委嘱シリーズ「日本フィル・シリーズ」の中でも、
再演率の比較的高い小山清茂さんの《管弦楽のための「鄙歌」第2番》では、
締め太鼓や土鈴といった数々の打楽器が活躍します。

残念ながら小山氏は昨年亡くなられましたが、
日本フィルの楽員の中には生前の小山氏から
直接この曲の演奏に関しサジェスチョンを受けた者もいて、
楽譜には書き表せない作者の「声」を彼らが若手に伝える
姿にはある種の感慨深さを感じさせます。

2曲目の湯浅譲二作品では、湯浅先生自らが練習
に立会い具体的なイメージやニュアンスをプレーヤー
に投げかけていらっしゃいました。

飯守マエストロといえばワーグナー
というイメージが強いのですが、
現代音楽、特に湯浅作品との縁は非常に深いものがあります。
日本フィルとは2005年に湯浅作品特集の公演を行っていますし、
今回演奏する《奥の細道》をはじめ、いくつかのレコーディングも行っています。

小山、湯浅といった、互いに作風は異なるにせよ「日本」
を強く喚起させる前半に比べ、
後半はまさに「クラシック」の王道ブラームスのシンフォニーが演奏されます。

バイロイトを中心にドイツ音楽の根幹を自らに叩き込んでこられた
飯守マエストロならではの、噛み応えのあるブラームス
をお楽しみいただけると確信しています。
飯守氏の指揮だからこそ生み出される独特の「間」
やニュアンスを是非ホールで感じとって下さい。

あのあまりにもロマンティックな第一楽章の冒頭から、
早くもその「飯守節」を聴くことができますよ!

企画制作 masu