公演担当と一緒に、オケを聴こう 第2弾12月東京定期 その4

公演担当者が東京定期を噛み砕いて語ってくれる
「一緒にオケ聴こう」。
オケ初心者からのコメントも、質問も・・・ココじゃなきゃ訊けないしっと。


その4。じゃ、いよいよ第3稿。東京定期を一緒に聴きながら。

この間、原始霧とかブルックナーパウゼとかキーワードがあったけど、この曲でいうと一つ目は「4度」

■4度・・・
あとで詳しい話をします。
あとはもう一つが、「パロディ」

じゃ、この4度というのが何かというと・・・。
このシンフォニーの頭を聴いてみましょう。

もともと第2稿ではこの冒頭は「春、そして終わることなく」っていう題が付いていて、要は「春」の自然の雰囲気を頭では表しています。

(ラー↓ミー、↑ファー↓ドー、↑レー↓シーの音型です)

(最初の2音)ね、すでにこれが「4度」でしょ。あとでカッコウの鳴き声も4度ででてくる。ほんとのカッコウの音程ではないんだけど。

パッヘルベルのカノンのバスみたいね。

そうそう。・・・弦楽器が高い音でフラジオレットで弾いている間に、いろんな管楽器が、遠くの方でファンファーレを奏でます。

■これは、外で吹くの?

そうだね。バックステージ吹くことがほとんどですね。
・・・これ全部4度なのね。ラミファドレ。あ、これがカッコウの鳴き声。

カッコウの鳴き声?

・・・と言われている。ベートーヴェンの田園でもタンターン、タンターンって音が出てくるのね。あれもカッコウの鳴き声。

■なんかさ、こういう自然の情景ってやっぱり自分の周りのものが染み付いているんでしょうね。

まあ、多少はねえ・・・でこのあと、低弦が出る。これは主題ではないんだけど、重要になってきます。この半音階的なアプローチがあとの4楽章のメロディにまた出てくる。すごい重要なんです。

■作曲者ってさ、「交響曲書くぞ」ってどうやって決めるんだろうね。そのタイミングを

▲どっから作っていくんですかねえ。

▲どうなんでしょうかね。主題かな。

○モティーフからなのかな

(お話もいいけど、一緒に聴こう!)こっから第1主題!これ大事。

○今回キクチさん乗ってまーす。

(笑)そう、チェロの主題。つねにくつろいでゆっくりとって書いてあるんだけども。

○あ、すみません。おっきいほうのオケ譜手元においちゃって。

大丈夫、ぼくこれ(小さい方のオケスコア)に書き込みしてるから。

■・・・なにを書き込みしてるの?!

●▲■○ 笑  ほんと好きだよね〜


(↑のんきな会話も第1楽章の牧歌的な春の雰囲気が引き出すのでしょうか・・・続く)