公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。

公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう特別編 2013年3月上岡敏之プロジェクト アルプス交響曲

オーケストラを聴きながら公演の企画制作担当者にいろいろ語ってもらう、オーケストラ版リアルタイムオーディオガイド「公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう」。 いつもは東京定期演奏会のプログラムについて、会議室でCDを大音量でかけながら語ってもら…

1月東京定期 ラザレフが刻むロシアの魂Season1 ラフマニノフ4 交響曲第3番の巻

●では話題を後半の交響曲第3番へ。シンフォニーの3番というのは、ラフマニノフがアメリカに渡ってから書いた曲です。 そのあとにも《交響的舞曲》という大作を書きますが、一応「交響曲」と名のつくものはこれが最後。 アメリカ亡命後は演奏家として忙しかっ…

1月東京定期 ラザレフが刻むロシアの魂Season1 ラフマニノフ4 ピアノ協奏曲第2番の巻

コンサートの企画担当者と音楽を一緒に聴きながら、作曲家や指揮者や、オーケストラのこだわりについて訊けたらいいな、という企画「公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。」本番中におしゃべりはできないけれど、会議室でCDを聴きながらならできる。質…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう第10弾 7月東京定期日本フィル・シリーズ再演企画 その2

次に山本直純先生の《和楽器と管弦楽のためのカプリチオ》なんですけれど、これが全く過去の演奏の音が残っていない。 〇音源がないんですか? 舞台写真も残っていない。舞台写真だけでも残っていれば、かなり違ったんですけれど。で、楽譜も、かなりかわっ…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう第10弾 7月東京定期日本フィルシリーズ再演企画 その1

毎回、日本フィルの会議室で公演担当者が持参したコンサートプログラムのCDを聴きながら、好き勝手にスタッフが突っ込むバーチャルコンサート、「公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう」第10弾を迎えた今回は、この週末にサントリーホールで開催される日…

一緒に東京定期を聴こう。第9弾ラフマニノフ交響曲第2番の巻 その2 第3楽章〜終楽章

では3楽章、始めの5分ぐらいを聴いてみましょう。♪ラフマニノフ 交響曲第2番より第3楽章●△これですか。さっきのエリック・カルメン。そうです。僕は大好きですが、甘すぎる、と感じる人もいるでしょうね。昔、フジテレビのドラマでも使われたようです。 ここ…

一緒に東京定期を聴こう。第9弾ラフマニノフ交響曲第2番の巻 その1 第1楽章〜第2楽章まで。 

本日の会議室には初参加のメンバー(△)も登場。ヴァーチャルコンサートは突然ポピュラー音楽より始まりました。でもこの曲、どこかで聴いたことがあるような・・・*****…まずはお聴き下さい。♪All by myself(歌 エリック・カルメン)△セリーヌ・ディ…

一緒に東京定期を聴こう 第8弾ラン・シュイとドイツロマン派の巻 その2 シューマン

♪シューベルト ピアノ五重奏曲《鱒》 ♪シューマン ピアノ五重奏曲 ♪吉松隆 ピアノ協奏曲《メモ・フローラ》どれ聴いてもきれいなピアノの音ですね。●全て田部京子さんのピアノ演奏です。お聴きの通り非常に美しいこの音色は彼女の最大の魅力ですよね。今回の…

一緒に東京定期を聴こう 第8弾 ラン・シュイとドイツロマン派の巻 その1 メンデルスゾーン

オーケストラコンサートの企画担当者から、プログラムのこだわりを聞き出す企画「公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう」も第8弾となりました。 会議室でCDをガンガンかけてつっこみながら開催する擬似コンサート、今日は周辺の曲を色々聴きながら語って…

公演担当と一緒に、東京定期を聴こう。第7弾 ラフマニノフ「交響曲第1番」の巻 その2

ラザレフもかく語りき「11日、12日の演奏で真の傑作であることを証明してみせる!」 公演担当者は、CDをとっかえひっかえして語り続けます・・・ 交響曲第1番のオーケストレーション・・・、例えば木管の歌わせ方や重ね方は、チャイコフスキーの影響がすご…

公演担当と一緒に、東京定期を聴こう 第7弾 ラフマニノフ「交響曲第1番」の巻 その1

第「1」番から始めます。ラザレフの刻む<ロシアの魂>この日の「公演担当と一緒に」は、なにやらしずかな語り口ではじまりました・・・この交響曲第1番は1985年つまりラフマニノフ(1873-1943)が22歳の時に書いた曲です。2番は1907年、彼が44歳の時。3番が19…

公演担当者と一緒に、東京定期を聴こう ラフマニノフ交響曲第1番の巻 coming soon

4日のさいたま定期、6日の名曲コンサートへも盛り上っていますが、いよいよ来週は首席指揮者ラザレフ来日です。 《ラザレフが刻むロシアの魂》最初のシーズンで取り組むのはラフマニノフ。 2年かけて交響曲全曲を演奏するのですが、そのはじめの公演が、11,1…

公演担当者と一緒に、東京定期を聴こう 第6弾R.シュトラウス《町人貴族》の巻 その4

その4.最後に、リヒャルトの本性が出たかな、と。次に聴くのは「クーラント」。古典組曲といって、バッハにもあるようにいろんな踊りの種類を集めた組曲の中にも「クーラント」があります。フランスが起源の舞曲です。♪同「クーラント」ここにもソロ・ヴァイ…

公演担当と一緒に、東京定期を聴こう。第6弾R.シュトラウス《町人貴族》の巻 その3

10月東京定期について、一緒に聴きながら語り合います。その3.にこにこ顔で棒を振られるマエストロ広上が、目に浮かぶような・・・ではその次は「剣術の先生」。ちょっとアクティブです。♪同「剣術の先生」●トランペットすごい! ☆金管1本ずつなんですよね。チ…

公演担当と一緒に、東京定期を聴こう。第6弾R.シュトラウス《町人貴族》の巻 その2

その2.では早速「序曲」を聴いてみましょう。 ♪R.シュトラウス:組曲《町人貴族》より「序曲」●なんで東京定期でこの作品を取り上げることになったんですか。マエストロ(広上淳一氏)のご意向です。●「序曲」の最初は弦楽ですね。今は弦楽だけれど、この後…

公演担当者と一緒に、東京定期を聴こう。第6弾 R.シュトラウス《町人貴族》の巻 その1

本日の「公演担当者と一緒に・・・」企画はなんだか気合が入っています。会議室のドアにはこんな張り紙が。会議室に入ると、何とも不思議な音楽が流れていました。今日のテーマは《町人貴族》ではなかったですっけ?その1.感性、人生、題材・・・スタイルは変わっ…

第5弾 マーラー第3番交曲の巻 その4

第6楽章には、モニターが一人増えました。(=●)第6楽章 で、このままアタッカで第6楽章に入ります。 ♪(第6楽章) この(ラレドシ)というメロディさえ覚えれば、もうこの楽章はいいのでは? この曲にもいくつかの主題があって・・・というような解説をし…

第5弾 マーラー「交響曲第3番」の巻 その3

ひそやかな歌が入ります。第4楽章。つぎ4楽章。「Sehr langsam misterioso(非常にゆっくりとミステリアスに)」。ここで登場する歌詞がニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」の中の「真夜中の歌」。そのままの歌詞を読むと、「おお人間よ、注意して…

第5弾 マーラー「交響曲第3番」の巻 その2

さて、2楽章はさらりと行きましょう今年の4月定期で山田和樹さんに振って頂いたとき「花の章」っていう、もともと交響曲第1番(正確には交響詩)の第2楽章になるはずだった曲をやったんですけれど、それとちょっと似た雰囲気の曲です。マーラーがそうてい…

第5弾 マーラー「交響曲第3番」の巻 その1

若きマエストロ、インキネンがフィンランドより無事来日しました。朝の事務所連絡メールに「インキネン来日しました!」と情報が流れ、マネジメント・スタッフ一同喜んでいます!さて、ご無沙汰しておりました、「公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。 第4弾《春の祭典》の巻 その4

曲が終わって、雑談タイム。■担当者的にはストラヴィンスキーはどこがいいと思うんですか?その人生とか、作曲の姿勢だったり彼の主義とか?? 飛び抜けた天才ぶり・・・かな。もちろん彼は熟慮を重ねて音楽を書いたのだと思うけれど、計算や理論だけでは《…

公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう。 第4弾《春の祭典》の巻 その3

ハルサイサウンドに浸ろうブルックナーの時には口酸っぱく主題がどうとか、動機はどうとかいう話をしたけれど、ハルサイの場合はもしかしたら「サウンド感=響き」そのものが重要かもしれない。 ストラヴィンスキーもドビュッシーも100年前は現役で活躍して…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。 第4弾《春の祭典》の巻 その2

お花見ではない。「春の祭典」の世界♪ 今日はしょっぱなから一緒に聴きつつ、語っています。(独白)ストラヴィンスキーが夢で見た、ロシア正教とかが生まれる前の、ロシアの原始的な宗教のお祭りの様子を書いている。「春の祭典」って書いてあるけど、最終…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう 第4弾《春の祭典》の巻 その1

只今東京定期リハーサル真っ最中。 公演担当者からのリポートも到着。このリハーサルの前にマネジメントスタッフが一緒に聴いたのは、「ハルサイ」ことストラヴィンスキー《春の祭典》です。 歌あり、振りあり、突っ込み満載のバーチャル演奏会、どうぞ! リ…

公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう。第3弾 ライヒの巻 その3

その3 最後に今回の《管楽器、弦楽器とキーボードのためのヴァリエーション》について。 この曲は聴いたことあるんだっけ? ●企画発表のときにちょっと聴いて、「パフューム」みたいだねって言って終わっちゃった(笑)。 スコアがこれなんです。見ればわか…

公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう。第3弾 ライヒの巻 その2

その2 じゃあ、いよいよ我らがスティーブ・ライヒの曲を聴いていきましょう。 有名なのがこの《18人の音楽家のための音楽》。これもびっくりするんだけれども、全てアコースティックな楽器で演奏されていて、電子音やコンピュータ処理とかは一切施されていな…

公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう 第3弾 ライヒの巻 その1

2011年あけて最初の東京定期は、 なんだか不穏なプログラムです。 今回の企画担当者との「一緒に聴こう」第3弾は年末に行われたのですが●ライヒ、いつ聴きます? 年内にやりますか。でも、思う存分音を鳴らせる時間がいい。 ●じゃ、サービスセンターの電話業…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。第2弾マーラーの巻 その9

その9。せっかくロマンチックだったんだけど、●あら、落ちちゃった。ふふん、許してくれないんだな、マーラーは。まだ。 でここから展開部に入っていきます。■こういう所の楽譜ってどういう感じになってるの?(と、大きな楽譜を見せてもらう)▲最初に聴く…

公演担当者と一緒に、オーケストラを聴こう。第2弾マーラーの巻 その10

その10。で、ここから大爆発しちゃう。(まさに、炸裂という感じです。)■トランペットは本当に大変だね。完全に勝利ですな。●待って、何に「勝利」ですか?まあ、「運命に」でしょうな! はい、ホルン! で、問題はここなんです。譜面の652小節目のところか…

公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。第2弾マーラーの巻 その8

その8。これ4楽章。アタッカで入ります。■すごい破壊願望のある人のような気がするね。今のタタタターンっていう下降の4音の半音階が、第1楽章で「覚えていて」と言っていたあの半音階のモティーフ。で今、第4楽章第1主題の予告をしています。 ・・・だ…