公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。第2弾マーラーの巻 その9

その9。せっかくロマンチックだったんだけど、

●あら、落ちちゃった。

ふふん、許してくれないんだな、マーラーは。まだ。
でここから展開部に入っていきます。

■こういう所の楽譜ってどういう感じになってるの?(と、大きな楽譜を見せてもらう)

▲最初に聴く人が「あ、ここで主題が出てきた」とかって分かるものですか?

何回も聴いて一回ちゃんとこうやって調べると、分かるんだよね。

▲1・2回目聴いただけだと何がなんだかさっぱり分からないわけですね。

■だから、そこでオケ嫌いになる人は聴くのやめちゃうんだろうね。1回目で、あぁ、さっぱりわからなかったって。

今から聴くのはこの曲のほんとのフィナーレに向かっていくメロディなんだけど、なんとなく覚えていると追々予告だったことがわかる。これが終盤になるとfffぐらいで出てきます。

▲こうやって、予告されているのにわからなかったりとか、もう1回提示されているのに分からなかったりとか、そういう経験って、脱落者を生むと思うんですよね。

●だから長い曲ってさっぱり分からなくなっちゃう。

でも全曲が分かっていると、そういう「物語」があることが分かるから。

■ああ、ストーリーが分かるっていいよね。

▲それをなんとかしないと、オケ嫌いが増えてしまうってことですよね。

(しばし、激しい4楽章をBGMに、「どうしたら『一見さん』にストーリーを伝えるか」の話題に熱中する)

理屈がわかっていれば、楽しいよ。

タリラリランっ♪がまた聴こえる。で1回勝利したかと思うんですけれど・・・今度は、これがまたシンフォニーらしいんだけど、第1楽章が戻ってくるんです。ここで第1楽章が再現される。

●この半音階聴くと、また?って思います。

▲どうすればいいのかなー?(▲は、さっきの聴衆拡大について、ずーっと考えているのである)

■だから、こうやって、発信するでするんですよ。(■は、Web担当である)

これ、第4楽章の第2主題。甘いメロディの。ちょっと再現。

■なんか、アレンジャーみたいね。ここまでくると。

▲指揮者の人となりが全て暴露される気がする。楽しいときも、悲しいときも。

■ちょっとあの「ほろ酔い(第2楽章)」は真面目すぎるなあ、とかねー。

プライヴェートを暴く、みたいな。

それは面白いかもしれないね。
マーラー自身は指揮者だったから、譜面にすごく色々な指示を書き残していて、ドイツ語で明らかに、ここは速くしろ、だんだん速くしろ、ゆるやかにとかくつろいでとか、色々あるんだけど。今聴いているバーンスタイン盤とかになると、それも乗り越えて「バーンスタイン節」が入ってきたりする(速くと指示がなくても速くしたり)。指揮者ごとの違いを見るのは実に面白い。

・・・ここは第1楽章でしょ、完全に。
さっきの第4楽章の甘いメロディがまた登場。

■第4楽章って長いね。

長いよ。20分くらいある。
だんだん第1主題が戻ってきます。
でも、この曲は最後は明るく終わるんですよ。なんやかや言って。
今その過程ね。だんだん運命の苦しみからだんだん勝利へ行き着くためにクレッシェンド。