公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。第2弾マーラーの巻 その8

その8。これ4楽章。アタッカで入ります。

■すごい破壊願望のある人のような気がするね。

今のタタタターンっていう下降の4音の半音階が、第1楽章で「覚えていて」と言っていたあの半音階のモティーフ。で今、第4楽章第1主題の予告をしています。
・・・だんだん第1主題が顔を出してきます。
・・・で、第1主題。

■確かに、「くるぞ来るぞ」って思っていると、かっこ良く聴こえるね。

(曲はいよいよ激しく盛り上がり、マスミツも無言で楽譜に没頭。みんなでそれを見物しながら)

■マスミツさんって、家でもそういう感じで聴いてるの?

(ふとこちらの世界に返ってくる)たまに手が動いてることある。

■独りで?

そうしないと、譜面を見失っちゃうことがあるからさ。

■その右手も、やっぱり動いちゃうわけかな。
(気付いているのかないのか、ペンを握った右手がずっと指揮振ってるのです)

(あまりの曲の迫力にしばらくみな、大人しく聴いて)・・・なんか・・・ヴァイオリン大変そうだね。

金管はもっと大変。吹きっぱなし。でもマーラーはまだ許してくれない。
これで、第1主題がひとまず終息です。これでまたあの、躁鬱病の傾向が。
今度は、やたらとロマンチックになる。
第2主題です。

(と語るうちにもロマンチックな第4楽章は続く)

ラフマニノフばりの甘さ。もうちょっと我慢して聴いて下さい。

(「ラフマニノフばり」のロマン派メロディーは盛り上がるばかりです。)

■・・・なんか、マスミツの「振り」見てると面白いです。

というわけで、映画音楽みたいなド甘な。のちのちの第5番第4楽章のアダージェットに通じるような。

■「ヴェニスに死す」に出てきそうな。あのー・・・(自宅で聴いてて)お隣から苦情が来る事ってあるの?

ないよ。そんなこと。

■じゃあ、壁厚いんだね。
▲我慢してもらってるんじゃないですか?(ずけずけ)
いちお、鉄筋コンクリートは選ぶけどね?

■夜中何時ぐらいまで聴くの?
●毎日ですか?
▲そっか、独り暮らしだと隣は別の人なのか。(▲は実家通い)

(ああもう、うるさい。そんなことはどうでもいいから聴きたまへ)で、今、下の音、聴こえる?

■あ、第1楽章だ。

そう。半音階も出てきたし。