第5弾 マーラー「交響曲第3番」の巻 その3
ひそやかな歌が入ります。第4楽章。
つぎ4楽章。「Sehr langsam misterioso(非常にゆっくりとミステリアスに)」。ここで登場する歌詞がニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」の中の「真夜中の歌」。そのままの歌詞を読むと、「おお人間よ、注意して聴け、深い真夜中がなにを語っているのか、私は眠っていた」と。視点は人間じゃないんです。ニーチェ的には超人ということになるのかな。
・夜かもしれない。
この交響曲は有名なリヒャルト・シュトラウスの交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》とほぼ同時期に書かれた。だからこの時期流行っていたんですね。ニーチェの超人思想のようなものが。
・人が死ぬことをいっぱい考えた時代なんですかね、世紀末。ところでこのスコアの一番下で7連符をずっとやってるのは、なに?
チェロ。生で聴くともっと聴こえますけれど、底のほうで何かが蠢いている。ワーグナーの《ラインの黄金》なんかでもありますよね、低弦がすごく速いパッセージを波のように表現しているところ。とにかく蠢いているといった効果音的な感じ。
・・・こういうところのホルンが、うまいんだ。使い方が。
第4楽章は非常に静かですが、このメゾ・ソプラノの声がいい。
・初めて聴くペーポさんの声がとても楽しみ!
続いて第5楽章。
・クリスマスみたいね。児童合唱団はどこに入るんですか。
女声も児童もP席です。・・・あぁ今のメロディは、交響曲第4番の終楽章でも数度にわたって出てくるメロディです。
なんか歌詞が平和なのに、音楽はどこか怖いです。最終楽章へ続く