一緒に、オケを聴こう 第2弾12月東京定期 マーラーの巻 その2

その2。9番のジンクス

で、彼のシンフォニーは1番から番号がついてるのが9番まであるの。
それプラス交響曲大地の歌》っていうのがある。
あと10番ってのがこれは未完成で残っていますが、ちゃんと本人がオーケストレーションしているのは1楽章と2楽章の途中まで。あとはスケッチしか残っていなくて、いろんな人が作り直している。
書かれた順番は、「大地の歌」「9番」「10番」。

正確に言うとね・・・9番て、結局みんな、死んじゃうじゃないですか。

(はあーーー?!)

ベートーヴェンしかり。ブルックナーしかり。交響曲第9番まで書いたら。
だからショスタコーヴィチなんて、9番をあえておちゃらけた曲にしたのね。

■し、死なないように?

死なないように。それだけが理由ではないけど。

▲9番書いたら死ぬっていうジンクスがあるんですか?

ジンクスみたいのがあって、

●▲■へー

だからソ連では、ショスタコが9番書くっていうときには「9番らしく」すごい曲を作るんだろうと思ってスターリンとかみんな期待したわけよ。そしたらショスタコはひねくれもんだから、軽いディヴェルティメント風の曲を書いちゃった。でスターリンは怒って、名誉挽回のために苦労させられることになるんだけど・・・。

で、マーラーの場合も「9番書いたらオレ、死ぬな」っていうのが怖くて8番書いたあとに「大地の歌」っていうのに逃げたのね。

■笑(ごめん、マーラーさん)

逃げたんだけど「あ、オレ、まだ生きてるや」って9番書いたら、死んじゃったの。

▲・・・え、じゃあ「8番」→《大地の歌》→「9番」ってことか

そう。10番は書きかけたんだけど途中で力つきちゃってあの世へ旅立ってしまったわけ。

■はあ
▲フーン・・・

結局9番の呪縛から逃れる事が出来なかったっていう。

■あああ、怖い。

怖い。
世代的に言うと1860年というのは、もう19世紀のど真ん中。
同世代でいうと、《威風堂々》でおなじみエルガーが1857年生まれ。ドビュッシーが、1862年生まれ。リヒャルト・シュトラウスが、1864年生まれ。
大体これぐらいの世代だと、覚えて下さい。

(背景、オーケー?じゃ、そろそろ交響曲第1番の話をしましょうか・・・続く)