公演担当と一緒に、オーケストラを聴こう。第2弾マーラーの巻 その6
その6。はい、第2楽章いきます。
あたまのダーンドンから早速4度が出てきて。形式としては3部形式。
■あ、これかあ。メロディわかるのに、曲名覚えないんだよね。この辺いくと、題名《巨人》ってことを忘れるよね。ほんとにタイトルはどうでも良かったのかな。
まあ、巨人の歩みって言えば、そう聴こえなくもない。
■ハッピーな巨人だねえ。
(本当に巨人がルンルン言っているように聴こえますから、どうぞ)
こんど、Aの中の、bの部分。
■ブルックナーのときも思ったんだけど、 A(aba) B A(aba)って三部形式弾いているとき、「おおっとぉ何回目のaだっけーーー!」とかならないんですかね。
▲わかんなくなりますね。
(苦笑・・・)で、ここでメロディ覚えましたね?そこでまたパクリの疑惑が出てくるんですけれど、2歳年上のハンス・ロットという人がいて1858年生まれですごく若くして死んだ。マーラーと仲がよかったんだけども、結局ピストルかなんかで自殺してしまった。彼のシンフォニー(日本フィルが日本初演しました)が残っていて、その第3楽章がスケルツォなんですけど、
(CDをかける。)
・・・・似てるっちゃ似てるでしょ?
▲・・・あんまりわからないなあ。
マーラーがこのハンス・ロットのシンフォニーを生前まったく演奏しなかったのは、真似したっていう呵責があったんじゃないかと言われているくらい、よく似てる曲なんだけど・・・。こっちのほうが、先なんです。
まぁマーラーに戻ると、ここからがBの部分。トリオって呼ばれてます。大概ABAのBはゆっくり。
■なんか、ほろ酔いでかわいいね。
うん。今まではF dur(ヘ長調)で書かれてるんだけど、もう少し行くと転調する。それがBの中のb。この音源、バーンスタインだからゆったりと歌わせ過ぎなんだけど、もうちょっとだけ我慢して。
(と、早送り)
▲お客さんはスコア持ってない訳だから・・・
■っていう話をこの前(ブルックナー)の時もしたわけよ。
まあ、大体ABAって形だっていうことを覚えておけば、大丈夫。また戻るんだなーAに、と。
■そう思ってると、面白いのよ。
●だから、曲目解説にああいうこと、書くんですよねえ。
■うん、それが分かりたいのよね。
●なんか、書かなくちゃいけない理由が分かります。
はい、Aに戻ります。
■コンサートに行って、隣で「次はAがくるよ」とかは言えない訳だから、事前にこうやってやるしかないのよ。
(・・・と2楽章が終わる。)
■ハッピーな感じだったね。
だから、この「4度」っていうのと形式としてはABAで出来ているってことね。ソナタ形式ほどめんどくさくない。
(楽譜をめくる)